◆ 60年代ごろまで世界的に流行した北欧のデザインでしたが、時代の移り変わりとともに忘れさられ、つい10年前ほど前までは語られることもなくなっていました。 そんな20世紀の遺産ともいえるミッドセンチュリー期の北欧デザインを発掘し、現在の再評価のきっかけを作ったのはアメリカのニューヨークにあったギャラリー「Gansevoot Gallery」で1998年に行われた展示会でした。 その展示会の名は「Nordic Moden Movement」。 今では伝説となっています。 現在では美術館の展示品として見るのがやっとというような貴重な作品が多数集められ、まさに始まりというにふさわしい内容でした。 この展示会のカタログからは展示会開催時の興奮と熱気が全く色あせることなく伝わってきます。 撮り下ろされた多数の美しいカラー写真によって出品された作品が紹介されていますが、その内容がすばらしく充実していて、作家の説明や背景の説明もされており資料としても十分なものです。 この展示会をみて北欧のデザインにのめり込んだ方は少なくないのではないでしょうか。 まさにもう一つの「原点」といえます。 北欧デザインのファンのみならず、美しい工芸をお好きな方にもお勧めしたい一冊です。 カタログの残部も限られており再版もされませんので、どうぞお気をつけください。

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